夢のみとりz

見取り図を書いたり、看取ったり……黙って見とれ?はいはい。。。

グランジの死んだ日

先日お酒を飲みながら、友人と話題にしていたのが、グランジと残されたオーディエンスの件。

1994年、4月5日。Nirvanaのカート・コバーンが死んだ日。
It's better to burn out than to fade away
という強烈なメッセージを残して彼がこの世から居なくなったとき、「グランジ」も同時に死んでしまったと思う。

「グランジ」は80年代のヘヴィ・メタルが爛熟してしまい、にっちもさっちもいかなくなったときに、主にシアトルあたりのガラージバンドがその停滞感にパンクとポップ色をシニカルに絡めて出してきた音楽、と自分では思ってるのだが(誰かもっとイイ表現を知っていたらおせーてください。)当時、豪州にいた私は毎日のようにRageというMTVみたいな番組で彼らを見ていた。とにかくグランジはまたたく間にムーブメントになったし、Nirvanaはスターダムにのり、オーディエンスは熱狂した。だが、カート自身、うつや、薬物といった問題を抱えていたし、94年のかれの自殺したあたりには彼の創作力はかなり落ちてしまっていたのだが、それでも彼が「グランジ」の体現者であったことに変わりないと思う。

他にグランジバンドがなかったわけではけして無かったし、パール・ジャムとかアリス・イン・チェインズとか、活動を長く続けたバンドもある。しかし一般のファンにとってカートはグランジのアイコンだったし、彼なくしてグランジは有り得なかった。(私も2−3日、ショックでぼーっとした。その後、コートニーが彼を殺したという噂を聞き、本当に違いないと思ったりもした。)

彼の死後に残されたオーディエンスは餓え乾いた。

そこへCreedというバンドの出現。グランジではないにもかかわらず、このバンドはグランジムーブメントに傾いていた一般のファンをひとさらいにしてしまった。何かのトリックのようだったね、あれは…ということを友人と話していたのだったが。Creedの音楽は単にアメリカンハードロックだったと思うが、ただ長髪と穴のあいたジーンズというグランジににちかいファッション、近似の「イメージ」を背負わされて、ぽっかり穴のあいたオーディエンスの心に「取り入った」のだった。音楽的な違いや、コンセプトの違いなど、一般のオーディエンスにはさして重要では無かったのか、なんでもいいから穴埋めができれば良かったのか…グランジというよりはNirvanaのファンだった私たちにはCreedはまるきり違ったもの、と写ったし、全く関心を持てなかった。しばらく放心状態が続いたあと、ポスト・グランジの時代が来たし、それまで関心をもたなかったJ-Popも聞くようになった。

自分の中でNirvanaは死ぬまで消えないだろうし、今の時代彼らの音楽はいつでも手の届くところにある。

東方神起はどうだろうか…
正直にいうとアイドルグループと彼らを比べてみる日が来るとは思ってもいなかった...(ただし、Nirvanaもポップミュージックであることは否定しないのだが。)

自分で自分がよく分からない今日このごろではある。

動画はNirvana-Rape me