夢のみとりz

見取り図を書いたり、看取ったり……黙って見とれ?はいはい。。。

フェアである、という事

今回の件、もうこれ以上書く事はしないでおこう、と思っていましたが、JYJから公式謝罪のでた今、確認の意味を込め、もう一度書いておきます。

この件の起こったとされる2009年は、JYJの3人の訴訟が起こった年でもありますが、彼らはこの時期「まがりなりにも」SMエンタテインメントに所属のアーティストであり、C-jes社は年度末までに立ち上げがされたかされないか、という時期ではなかったかと思われます。内部で分裂していたから、とか、エイベックスの管轄下に有ったから、SMEは関係ないなどと言われるかたも居られるようですが、少なくとも「公式に」2010年4月に活動停止するまでは、SM社の管理するアーティストであったはずで、2009年の年末までは、5人で活動もしていた筈ですね。(「内部分裂」については明らかに論点がおかしいと思います。同時に論議すべきではない問題、そしてそうであったかどうかも不明な事です。)逆に、あきらかになっているように、エイベックスとの契約等は2010年以降のものです。一連の動画をみていくと、明らかに動画の中で「類似の暴力行為は、これ以前にも有った」としているものも有ります。また、サセンの被害に遭っていたのは彼らに限らないはずです。

Dispatchはなぜ、この記者はなぜ、2009年以前のもの、あるいは他のアーティストではなく、あえてJYJの3人、所属論議が起こる様な微妙な時期の音声ファイルによってこの記事を出したのでしょうか?

彼はサセンファンと芸能人の暴力というテーマを「純粋に」論じる目的であったのか?

Dispatch誌は芸能ゴシップ誌であり、中立の立場で記事を書く社会的責任はその性質上、一般にそれほど重視されていない類の雑誌でしょう。であれば、彼らの立場はいかなるものか、特定芸能社との近さ等を、読む側が判断してその記事を見ていかなければならないと思います。

ジェジュン氏は誤ちをみとめて謝罪し、その上でジュンス氏がどのような過酷な状況に置かれていたのかを釈明しました。これは、すべきことを行なったまでだと思います。しかも、非常に早い時点で会見が行われたことは広報的判断が正しかったと思います。しかし、帰国後タレントとして傷ついたイメージを回復して行くことは、また難しい作業であるとともに、そのことによって謝罪のみではない社会的責任を取らされていくということになろうかと思います。

サセンという衝撃的なファンの形態については、他のブログや報道記事でいくらでも参照できると思われますので、あえて言及いたしません。一つだけ言えるとすれば、これは立派な「暴力」のひとつであるということです。またJYJの3人が行なった肉体的暴力もまた、もちろん立派に「暴力」であると言えます。暴力はいけない、当たり前のことです。その一方、暴力は世界の紛争解決のための手段でもあり、表現であり、一部様式美の世界でもあります。

そして、今回のDispatchが行なった告発ですが、これもひとつの暴力ではないかということ。それは、私が掲げた疑問を見ていただけばお分かりでしょうが、2009年以前であれば、SM社の管理下で表沙汰になるはずの無かった情報が、2012年の今出てきてしまう。公開された音声ファイルに付けられた「繰り返される暴力」というような、音声では判断不可能かつ、非常に角度の付いた文言による強調。そして暴言場面に至るまでの経緯は何一つ語られていない、あるいは公開されていないなど、ほぼ一方的と言える内容。

サセンと暴力について、健全なかたちで論議になることは、そのこと自体は良い。しかし、これは事の起こった2009年、あるいはそれ以前にこそ、論議されるべきではなかったか?なぜ2012年の今、JYJだけが、このような議論の中心に成る?その事が非常に「アンフェア」であると感じるからです。何らかの形で、「パンドラの箱」におさめられ、今まで出てくることの無かった情報。箱を開けたのは誰で、何の目的なのか?

立場による優位性、肉体的な優位性を利用して、非力なものに力を振るうことが「暴力」であり、それがアンフェアであると認められるからこそ、暴力は倫理的に悪とされている筈ですね。それなら、情報の出拠も含めこの報道の暴力性をまず議論しないのは、おかしい。JYJの3人も含め、他に「誰が」アンフェアであるのか議論されないというのであれば、この論議はとても「健全な」論議であるとは言えないと思います。少なくとも、当該記事の恣意性が充分考慮された上でのサセン/暴力議論が展開されることを望みます。

世界は、人間界というのは本当に不平等に満ちている、と思います。それを受け入れなければ生きていけない。でも、だからこそフェアであることを、人はいつも求めるのだと思います。(いつも言ってますよね。しつこいね、ほんとに…)

以上です。