夢のみとりz

見取り図を書いたり、看取ったり……黙って見とれ?はいはい。。。

『プロメテウス』1 ー ネタバレ有り!

はじめに。

盛大にネタバレしますので、とりあえず『プロメテウス』見ていなくて、内容知りたくない方は読まない方向でどうぞお願いいたします。

それから、私のレビューは凄く「私的」なので、これがごく一般的なこの映画に対する反応ではないと言うことは、お断りしておかなければと、と思います。
まあ、HENTAIの戯言と思って頂ければ満足です。(笑)

とりあえず、いきなり総括しますと←

これはリドリー・スコットの“生と性の起源に対する進化した解釈の試み”という風に私は捉えました。

この映画を『エイリアン』との関連で考えている人は多いです。『エイリアン』の初作と同じ、リドリー・スコット監督。ですがアクションホラーSFと言ってよい『エイリアン2』以降の続編とは抱えるテーマは明らかに異質です。むしろ、初作の『エイリアン』にテーマは戻っています。しかし明らかに1986年とはアプローチ、導き出される解釈も異なっています。

ただし地球外生命体の映像は充分にグロテスク(汗)だと思いますし、テーマなんちゃら抜きにしてもホラーSF映画、VFXに興味が有るというだけの方も充分楽しめるとは思いますが。

私としては、メインの登場人物二人の女性とその父の「在り方」。破壊される側の存在に回った男性、新しい性のメタファーとしての「アンドロイド」。これが映画のとても大きなポイントでした。

まず、ひとりめの女性。
生命の起源を探求する考古学者のエリザベス(ノオミ・ラバス)。彼女は科学者でありながら、迷いを密かに心に持つ。現代アメリカでは、ごく単純に言い表せば科学と宗教は対立する概念。科学の道を選択する事は、宗教を捨てることでも有る。彼女の夢に現れる、彼女の父との幼い日のやり取りは象徴的。「なぜ。なぜ信じるの?」学者である父はエボラ出血熱で研究途上に亡くなる。父親を喪失した彼女は、子供を妊娠することもできない体。それが彼女を生命の起源、人類の創造者としての地球外生命体の探索へと駆り立てるのでしょうか。

彼女と対峙するのが、宇宙船プロメテウス号の「管理者」メレディス(シャーリーズ・セロン)。彼女は生命探査のプロジェクトと宇宙船プロメテウス号を有する、ウェイランド・コーポレーション社の社員であり、科学者たちを監督する。支配的にも見えるそのマネジメントスタイルは管理者であるがゆえ男性的?ですが、彼女がこの船に乗り込んでいるのは実はその父、ウェイランド社の会長であるピーター・ウェイランド氏のため。父はこの生命創造に、自らの命を長らえる事のできる秘密があると見込んでいる。死のうとしない父。父の命令に従いながらも、その父を疎むメレディス。父は彼女を理解しようとはしない。

そして、夢を見るアンドロイドがマイケル・ファスベンダー演じるデイヴィッド。科学者管理用としてメレディスに使われます。リドリー・スコットと言えば、『ブレードランナー』を一番にあげる方も多いと思うのですが、あの映画で謎とされていた、5人目あるいは6人目のレプリカント、、、それを思い出しました。

エリザベスら科学者チームは地球外に人類を創造した創造主がいるのではないかという仮説のもとにプロメテウス号でとある太陽系の探索を開始、地球の遺跡にも似た場所に眠る生命体を見つけます。古代遺跡との近似性に喜ぶ科学者。それは巨人のような姿形をしている。と同時に、別種の動物的な生物もそのまわりに潜んでいるのを発見するのです。ところが、「創造主」つまり神あるいは救世主という人間の身勝手なイメージをこの生命体は打ち破ってしまいます。

長すぎますね。2回に分けます。とりあえず予告編をご覧下さい。

動画お借りしています。