ニッポンの常識と非常識

「人種は存在しない」

と言ったら、普通ははどのように思われるのでしょうか？
いえ、「存在」はするのですが、社会的には。。。確かに。

でも、生物学的には存在しない。
少なくとも現在の科学、生物学が証明する上では、人種は存在しない。

アメリカの高校生に人種とは何か、と尋ねてみれば「皮膚の色」と答える子が多いと思われます。それっておかしいですか？もっと本質的な違いが有るはず？？

運動能力とか、知能とか？音楽の能力とか？

いえ、そのあたりは完全に否定されて居ます。

まず、基本的に、皮膚の色を決める遺伝子というものは存在しないのですよね。

髪の毛の形状や皮膚の色、そういったものは人間の環境への適応の積み重ねの結果であって、地域的な特徴が半固定化したものです。（あくまでも半。。。いつでも境目は流動的でしょう。）だから人間に「純血」やら「混血」やらは科学的には「無い」。そして、各人種を代表すると思われている「特徴」もその環境から生み出され、蓄積された「傾向」ではあっても、それらに対応する「遺伝子」などは存在しない。実は、例えば黒人なら黒人、白人なら白人という「人種」の内側でのほうが遺伝子どうしの違いが大きい事がはっきりしております。

言ってみれば人類全体がアフリカ原産の「混血」なわけですけど、居住地域による「目に見える違い」が積み重なった為（つまり結果ですね）、人々がその「目に見える違い」（１７世紀までの）を元に人間を分類しようとした試みが人種、というわけです。

この人種という概念…１７世紀に動物植物の交配をしようとして、「人種」も作られてしまった。この時の目的が、のち「優生学」として転用され悪名を馳せるんですけれど、自らの属する人種を頂点として階級を作り、支配を行うということですね。自分達の利益を叶えるための順列であり、正当化です。科学という「客観性」を盾に、１９７０年代くらいまで頑張ったわけですが、最近、その「科学」、「生物学」により、否定されました。

そして更に言えば「性別」という、人々が「男女」という人間を２つに本質的に分けている、と信じて止まないものも、実はそんなにきっぱりと２つというわけでも無い。インターセックスと呼ばれる半陰陽の方たちは思いの外沢山いますし、出生時どちらか曖昧なケースはもっと多くいると聞きます。それらをどちらかに「振り分けて」いるのは、人間の人為的な行為であって、自然が人間を２つに分けたわけじゃないんですね…成長する過程で、性的指向や、性的なアイデンティティが変動するほうが「自然」ではないでしょうか。自然じゃないから、無理やり２つのうちのどちらかにしろという方が、むしろ「不自然」に私は思えますのですが^^;

と、いうような事は今の「日本人の常識」には含まれていないのかな？

トンペンのブログを見て歩いていると、非常に「愛国奥様」が多いのに気付かされました。。。。

そして「日本人は。。。」「韓国人は。。。」（男は、も多いな。。。人間は、も多い。）と色々な特色を述べられるのですが、時々「日本人」という事が、あまりに自明すぎないか？と訝られるんですよ。この方たちの日本人というアイデンティティは、どこから来ているの？って。。。

もしこの奥様たちが人種、とおもっているなら、これは困ったことですね。だって、無いんだもの。そして現在の「社会的に構築された人種」も、「混血」がどんどん進んでます。

「混血」が結果として半分固まり、民族の文化を形成しているわけですが、その境界は何時いかなる時でも曖昧なものです。沖縄やアイヌを取り込んだかたちで「日本」は拡大しているわけでして、以前は韓国もそのなかの一つでしたし。

民族や国籍、人種は人間のアイデンティティの中核をなすもの、と考えられますが、それらは移ろいゆくものでも有ります。今見えている姿がどのように固定的に見えたとしても、それらはいつも「中間点」でしか無いと言うことですね。

上で言ったように、人種や性別は固定的では有りません。民族、文化、国境線も同様と考えられます。いや、固定したい人もいて当然だと思うし、かといって固定されたくない人びともいるわけで。でも「常識」というのも変わりゆくものでは無いんでしょうかね？

参照：
Fausto-Sterling,Anne.　Sexing the Body:Gender politics and the Construction of sexuality.　New York:Basic Books

Ferber,Abby L.Matrix　Reader：Examining the Dynamics of Oppression and Privilege.

マジに謝って欲しいのよね、橋本聖子さん！女からでもセクハラはセクハラぢゃん！
がんばれ、だいちゃんｗｗ