夢のみとりz

見取り図を書いたり、看取ったり……黙って見とれ?はいはい。。。

Sugar Babe と Spice Bonita

『木綿のハンカチーフ』

作詞:松本隆 作曲:筒美京平

恋人よ ぼくは旅立つ
  東へと向かう 列車で
  はなやいだ街で 君への贈りもの
  探す 探すつもりだ
いいえ あなた 私は
  欲しいものは ないのよ
  ただ都会の絵の具に
  染まらないで 帰って
  染まらないで 帰って

恋人よ 半年が過ぎ
  逢えないが 泣かないでくれ
  都会で流行(ハヤリ)の 指輪を送るよ
  君に 君に似合うはずだ
いいえ 星のダイヤも
  海に眠る 真珠も
  きっと あなたのキスほど
  きらめくはずないもの
  きらめくはずないもの

恋人よ いまも素顔で
  くち紅も つけないままか
  見間違うような スーツ着たぼくの
  写真 写真を見てくれ
いいえ 草にねころぶ
  あなたが好きだったの
  でも 木枯らしのビル街
  からだに気をつけてね
  からだに気をつけてね

恋人よ 君を忘れて
  変わってく ぼくを許して
  毎日愉快に 過ごす街角
  ぼくは ぼくは帰れない
あなた 最後のわがまま
  贈りものをねだるわ
  ねえ 涙拭く木綿の
  ハンカチーフください
  ハンカチーフください

太田裕美

椎名林檎

先日なうっていたんですが。。。
椎名林檎Ver.になりますと「いいえ」が非常によく聞こえる。否定の美学です、と。

つまり、太田裕美のオリジナルは、は「可憐で純朴な田舎の少女が都会に出ていった恋人の青年に捨てられる物語」だった訳ですが、林檎Ver.では、こんなふうに聞こえるんです。

「いいえ。くだらない指輪はいらないの。(それで私を縛らないで)」
「それよりあなたのクオリティは大丈夫かしら?」
「いいえ。口紅をつけない私の価値がわからないなら、あなたはもう必要ない。」
「木綿のハンカチーフは最後の皮肉。さようなら、あなた。」

林檎ちゃんだと、男を捨てちゃう女に聞こえるんだなーーーー??

1975年と2002年の間。
1975年。松本隆と筒美京平のゴールデンコンビによるこの楽曲は86万枚を売り上げました。(ウィキペディア参照。)
現在から考えたら気の遠くなる数字じゃないでしょうか?その数字が裏打ちするもの。

1975年に、確かに存在したと思った「田舎」と「都会」。その物理的な差。
1975年に、確かに「捨てられた」と思った女。

名曲なんですよ。当時の「フォークロア」「ペザント」ファッションの流行と、歌手太田裕美の可憐なイメージのだぶらせ方、彼女の表現力のある声、歌詞の物語性、楽曲のキャッチーさ。まさにまさに名曲。(ミュージックライフ小脇に抱えた中二病前駆者の自分はなんとかはまらないようにジタバタしたんですけど、気づいたら全部歌えてました。。。。orz)
で、その名曲をものすごく裏返して見せてくれた林檎ちゃんにやられちゃいます。(ま、自分の感じかたが、そうだっていうだけの話なので、お読みになってる皆さんは、無理にそういうふうに解釈なさらなくて、大丈夫なんですよ〜〜^^)

で、ですね。

75年に確かにあると思った田舎は、今は「ネット」上に存在してるみたいです。
「都会」はどこへ行ったのかな?

*動画は二つともお借りしました。ありがとうございます。